このサイトについて

サイトの説明:

本サイトは、九州大学蔵石山寺旧蔵本『金光明最勝王経』に付された訓点情報をデータ化したものを試験的に公開するものです。
資料についての詳細はこちらをご覧ください。また、資料画像が九州大学附属図書館より公開されているので、こちらもあわせてご参照ください。


データについて:

経文中の漢字1字を項目単位として、訓点の情報を収集したものです。
本資料の訓点は、朱墨と白墨の二種類が確認されていますが、朱墨は褪せて見にくくなっているため、データは白墨のみを対象としています。
ヲコト点ひとつにつきひとつのデータとしています。そのため、ヲコト点が複数あるものは「ヲコト点」情報中「点番」の数字によって区別しています。


データの見かた:

・基本情報:
「番号」:通し番号。
「巻」「丁」「行」「字」:経文中におけるそれぞれの位置。折本の「丁」はすべて0。
「本割」:割注行の別。本文行の字を0、割注を1とする。
「漢字」:経文中の漢字。旧字体に統一。
「句」:漢字にヲコト点、仮名点を付した読み。ヲコト点は平仮名で、仮名点は片仮名で表記しわける。

・ヲコト点:
「点番」:ヲコト点が複数あるときの点の番号。
「墨」:墨色。
「形番」「形」:ヲコト点の形状に、便宜的に番号を付し、形状を記号で代替したもの。
「位置」:壺(下記図の四角)における位置。数字とアルファベットによる座標式をとる。
ヲコト点
「ヨミ」:築島(2009)のヲコト点図に倣った読み。
「総合ヨミ」:複数のヲコト点を総合した読み。

・仮名点
「墨」:墨色。
「ヨミ情報」:仮名点の読み。音注などもここに採録。

・補読:
「句」の作成に際して、私に補った読みの一部。

・声点
「墨」:墨色。
「形」:点の形状。番号なし。
「単複」:単声点か複声点かの別。当該資料は単点のみ。
「位置」:ヲコト点の「位置」に同じ。
「声点」:調値。
「梵漢」:加点字が漢語か音訳梵語かの別。

・符号(句読、返り点などに関する情報)
「墨」:墨色。
「形」:点の形状。番号なし。
「位置」:ヲコト点の「位置」に同じ。
「意味」:築島(2009)のヲコト点図に倣うため、未読の点あり。

・返点:
点図に含まれない形状の返り点。一二点など。


参考文献:

春日和男(1985)「比較訓読について(1)」『帝京大学文学部紀要国語・国文学』17(『語文叢考』勉誠出版(2004)所収)
春日政治(1958)「石山寺本最勝王経古点より」『国語国文』27(11)(『春日政治著作集6 古訓点の研究』風間書房(1984)所収)
勝山幸人(1984)「金光明最勝王経の古訓法について」『野州国文』33
築島裕(2009)『訓点語彙集成 總論・載録文獻一覽』汲古書院
蛭沼芽衣(2015)「石山寺旧蔵本『金光明最勝王経』口絵・解題」『文献探究』53


謝辞:

このデータベースは、R4年度人社系学際融合プログラム0312「訓点資料データベースのための画像処理」およびR4年度科学研究費助成事業(基盤C 22K00573「訓点データベースの作成および本文作成への一検討」によって作成されたものです。